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  • 2025.01.29

    【開催報告】編文研シンポジウム「ヘルダーリン後期詩の編集?翻訳プロジェクト—第三世代テクスト編集の試み」

2024年12月21日(土)、本学3号館322教室にて、国際編集文献学研究センター主催のシンポジウム「ヘルダーリン後期詩の編集?翻訳プロジェクト—第三世代テクスト編集の試み」を開催しました。2023年7月15日に開催されたシンポジウム「ヘルダーリン 学術版編集の歴史—翻訳のための編集を考える」の続編として企画された本シンポジウムでは、ヘルダーリンの詩を新たに編集する際の諸問題について、登壇者とフロアとの間で熱のこもった意見交換がなされ、有意義かつ実りあるものとしてイベントは成功裏に終了しました。

シンポジウム第1部では導入として、矢羽々崇先生(獨協大学外国語学部教授?本研究センター特別客員研究員)に、新たな編集?翻訳の必要性をめぐる背景事情、そしてプロジェクトにおいてひとつの参照点となっているルイジ?レイタニ編集のイタリア語対訳版の概要についてご説明いただきました。



続いて冨塚祐さん(本学大学院文学研究科博士課程後期?本研究センターリサーチアシスタント)より、レイタニによる対訳版が持つ編集上の意義と限界、そして新たな編集に対する示唆について、詩の配列とテクスト構築に着目した報告がなされました。

その後再び矢羽々先生にご登壇いただき、レイタニの編集方針を参考にしつつも必ずしも完全に踏襲することのない新たな編集方針の可能性を、「追想」(Andenken)を例にご発表いただきました。

第2部では、新たな編集?翻訳の実践に関する中間報告が行われました。まず、益敏郎先生(熊本大学大学院人文社会科学研究部准教授)にご登壇いただき、「唯一者」(Der Einzige)各稿の関係や編集の歴史を整理したのち、各稿の展開過程を示すことで「唯一者」をひとつのプロジェクトとして提示するという編集方針についてご報告いただきました。



林英哉先生(関西大学文学部准教授)には、「あたかも農夫が...」(Wie wenn der Landmann...)および「あたかも祝いの日に...」(Wie wenn am Feiertage...)からそれぞれはじまるふたつの詩をパラレルに提示し編集することで生まれる解釈の可能性や、手稿中の空白部や書き込みの再現をめぐる問題を中心に論じていただきました。

続いて大田浩司先生(上智大学文学部教授)には、「ムネモシュネ」(Mnemosyne)の編集?解釈について、節構成とタイトルをめぐる問題を中心に、特に詩節中のリズムや解釈に関する研究史上の対立と、それを受けて新たな編集が示す立場についてご発表いただきました。



最後に小野寺賢一先生(大東文化大学外国語学部准教授)に、「ゲルマーニエン」(Germanien)がこれまで、複数の稿を混ぜ合わせる形で編集されてきたことを指摘しつつ、それらとは異なる、ひとつの稿に基づいたテクストの提示という新たな方針についてご報告いただきました。

第3部では、明星聖子先生(本学文芸学部教授?本研究センターセンター長)と平野遥海さん(東京大学大学院人文社会系研究科博士後期課程)にもZoomを通じてご登壇いただき、登壇者間、そしてフロアとの間でディスカッションが行われました。そこでは、新たな編集?翻訳を通じてヘルダーリンの何を伝えることができるのか、あるいは何を伝えるべきか、というプロジェクトの根幹にかかわる問題や、どのテクストを選び、配列するのか、といった具体的な編集方針にかかわる問題などについて、活発な意見交換がなされました。

なお、当日は第2部と第3部の合間にコーヒーブレイクが催され、活発に交流が深められました。

国際編集文献学研究センターでは、今後も定期的に編集文献学にかかわるイベントを開催いたします。その際には、改めて本学サイトでお知らせしますので、ご興味?ご関心のある方は、ぜひご参加ください。