「成城 学びの森」コミュニティー?カレッジ
講義内容
フランスのノーベル賞作家アルベール?カミュの小説『ペスト』を翻訳で読みます。
カミュの評価は不条理について語った難しい思想家から、故郷の地中海を称え、人間性を信じた倫理的な作家へと変わりつつある— 昨年(2010年)に開かれた国際シンポジウムに参加して、そう確信しました。
架空の疫病に託された現代人の不安と希望について、ともに考えましょう。
<テキスト>カミュ著『ペスト』新潮文庫780円(税込)
各回テーマ
(1)『ペスト』邦訳(1950)の衝撃—訳者解説と小林秀雄の書評
(2)『手帖』に見る『ペスト』の成立過程?ロットマン、トッドの伝記を参考に
(3)第1部 都市が閉鎖されるまでの日記風の叙述
(4)第2部 別離を生きる人々の群像
(5)短い第3部の意味
(6)第4部?第5部 ペストと闘う理由(カミュの作品評)
講師紹介
専攻 : フランス文学?思想1980年代後半にパリ大学に留学し、20世紀フランス文学を学ぶ。博士論文はドリュ?ラ?ロシェルという第二次世界大戦中に占領軍に協力し、自殺した作家について書いたが、抵抗作家であるカミュの伝記を訳し、サルトルのユダヤ人論をシンポジウムで扱った。知識人というコトバはすでに死語かもしれないが、公共の場に出ていった作家たちの真摯さに惹かれる。
★ 受講生の声(アンケート抜粋)
◆ 必ずしも理解し易いとはいえぬカミュの「ペスト」を、該博な知識に裏付けられた、わかりやすく且つ、内容豊かな講義をされたこと。
◆ 優しい語り口の明快な解読。深く、わかりやすい。
◆ 3.11の東日本大震災、特に福島第一原発の状況とラップ。40数年前に一度読んだが非常に難解であった。今回は、先生のあたかも「ペストの時間」に滞在していたかのような解読が素晴らしかった。
◆ ちょうどタイムリーになってしまった「ペスト」を、正確に読むことが出来ました。先生の解釈のおかげで深く読み込めたと思います。
◆ 受講者に媚びない、先生の一貫した調子が好ましかった。
お問い合わせ
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